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!doctype>よく、北欧神話とギリシア神話を比較している人を見かけるが、何も考えずに比較してしまうのは、すこし危険な行為だ。
なぜよろしくないかというと、全く違う文化圏に属する神話を、ひとつの視点から判断することは、相手のことを知らずに偏見にとらわれる可能性を秘めているからだ。
一昔前の、未開地域の人々をを「土人」と呼んで蛮族として扱った欧米人のような、実にお粗末な偏見に捕らわれてしまっては、相手の文化を真摯に理解することは出来ないだろう。
異なる文化には、それぞれの価値観や長所があり、貧しい文化と豊かな文化の違いがあるわけではない。物質的な栄華を極めたものが優れているわけではなく、戦いを好み血を流す神話だけが残酷なわけではない。
だから、なぜ北欧神話が� ��リシア神話を元にして語られなければならないのか、そうする理由や利点はどこにあるのかを考えることは、ある程度必要である。ギリシア神話を元にするという行為は、そもそも、「ギリシア神話があらゆる神話の中心である」という前提、ひいては、ローマ人の「ローマこそ世界の中心である」思想を元にしていたかもしれないからだ。